ジューダス・プリースト。ハードロックを昇華させ、ヘヴィメタルを生み出したバンド
硬質なサウンド、レザー&スタッド(皮と鋲)のファッション、そして、忠誠心を求める精神性。“これぞヘヴィメタル”、と定義づけた “創造主“ のような存在。ジューダス・プリーストが「メタルゴッド」と呼ばれる理由です。
な〜んて、ヘヴィな話はありますが、
とにかく、カッコよくて、エネルギッシュで、聴くと身体中の血液が沸騰しそうな刺激的な音楽がヘヴィメタル。その始祖であり、最高峰がジューダス・プリーストなんですね〜。
・グレン・ティプトン Glenn Tipton – Gui
・KK・ダウニング KK Downing – Gui ※現在は脱退
・イアン・ヒル Ian Hill – Ba
・スコット・トラヴィス Scott Travis – Dr
1990年。ジューダス・プリーストが12枚目のアルバムとして「Painkiller」という大大大傑作アルバムをリリース
ロックにかかわっちゃった人は絶対に聴くべき必聴アルバム。
ヘヴィメタルの最高到達点!
まずは、ザ・ヘヴィメタルの名曲「Painkiller」からどうぞ!
【1】Judas Priest – Painkiller
Painkiller(1990)
Painkiller
Hell Patrol
All Guns Blazing
Leather Rebel
Metal Meltdown
Night Crawler
Between The Hammer & The Anvil
A Touch Of Evil
Battle Hymn
One Shot Glory
強烈なドラムのイントロから始まって、リード曲「Painkiller」からジューダス・プリーストの真骨頂が炸裂します。
ロブの鬼気迫るハイトーンボーカル、グレンとKKの2人の旋律が絡み合うテクニカルな高速ツインリードギター、堅実に低音を支えるイアンのベース、そして当時新加入で荒々しくもビシビシ決まるタイトなスコットのドラム。まさにプリースト・サウンドが炸裂しています。
楽曲は、スピード曲から荘厳な曲まで幅広く、いずれも美しく悲哀に満ちていて、ドラマティック。最後の一音まで緊張感が漂ってます。捨て曲なし捨て音なしの傑作アルバム。ぜひオススメです。
しかし実は、、、ジューダス・プリーストは傑作「Painkiller」に至るまでに、紆余曲折、一歩一歩の道のりがありました。
ジューダス・プリーストがいかに最高傑作「Painkiller」を生み出すに至ったかという経緯を、彼らの人気曲とあわせてご紹介していきます
ジューダス・プリーストは、英国バーミンガム出身のバンドです。ブラックサバスの同郷の後輩にあたります。バンド名は、”裏切りの司祭”との意味。
いまでこそ「メタルゴッド」と呼ばれるジューダス・プリーストですが、初期4枚のアルバムは、ドラマティックなハードロックバンドでした。もちろん質の高い作品ばかりなのですが…。
Killing Machine (1978)
しかし、1978年 5枚目のアルバム「Killing Machine」で、突如ヘヴィメタルバンドへと変貌を遂げます。ギターサウンドは鋼(はがね)のようなきらめきと強靭さを持つようになり、リフはストレートで鋭い切れ味を備えます。そこに、ロブのレーザー光線のようなハイトーンボーカルが乗り、現在のジューダス・プリーストサウンドがほぼ完成します。
ファッションはレザー&スタッドに身を包み、ライブではハーレーダビッドソンでステージに登場。バイカーの心も掴みます。ライブはド派手で立体的なセット。花火もドカンドカン!
【2】Judas Priest – Hell Bent for Leather (Live from the ‘Fuel for Life’ Tour)
British Steel (1980)
ヘヴィメタルをさらに推し進めた6枚目「British Steel 」。曲構成はシンプルですがアグレッシブで、ライブでオーディエンスを巻き込むパワフルな曲が満載。この2曲は特にノリがよくて、今でもライブでコール&レスポンスが凄まじく盛り上がります。
【3】Judas Priest – Breaking The Law (Official Music Video)
【4】Judas Priest – Living After Midnight (Official Video)
次もこの波に乗れるかと思いきや、7枚目では米国市場を狙ってポップ路線に走ったところ、ファンは「ジューダス・プリーストらしくない!」と猛反発。内容は決して悪くないんですが、ジューダス・プリーストが示したヘヴィメタルへの忠誠心は、バンド以上にファンに深く浸透していたんですね。
Screaming For Vengeance 1982
そして、1982年。名盤中の名盤と誉高い8作目「Screaming For Vengeance」。アルバム冒頭を飾る連曲「 The Hellion / Electric Eye」は、インストの序曲の荘厳な盛り上げから、心が奮い立つような名曲につながる流れは、メタルファンなら必聴です。「You’ve Got〜」はヘッドバンギング曲で、米国でも大ヒット。ジャケットに描かれたロボット鳥によって米国への「空中戦」を制します。
【5】Judas Priest – The Hellion / Electric Eye (Live Vengeance ’82)
【6】Judas Priest – You’ve Got Another Thing Comin’ (Official Video)
Defenders Of Faith (1984)
続く9作目「Defenders Of Faith」。「空中線」の次は「地上戦」とばかりに、前作と同じコンセプトで作られたアルバム。名曲の多さでは「Screaming For Vengeance」に負けていません。「The Sentinel」はスピードがあってドラマティック。ジューダス・プリーストの魅力が全て詰まったような名曲で、ファンの人気曲です。「Freewheel Burning」はアグレッシブなスピードメタル曲で、これまた名曲。
【7】Judas Priest – The Sentinel (Live)
【8】Judas Priest – Freewheel Burning (AC3 Stereo)
最高傑作、しかも2作連続も実現してしまうと、バンドは迷ってしまうもの?その達成感から違う可能性を模索したくなったに違いありません。次作では大きく方向性を変更します。
Turbo (1986)
問題作と言われつづける10作目「Turbo」。ギターシンセの大胆な導入。当時ブームだったLAメタルの影響から、メタル度は後退し、ポップでキャッチーで”楽しいジューダス・プリースト”になりました。「これはこれでアリじゃない?」派と、「こんなの俺たちのジューダス・プリーストじゃねぇ!」派に分かれて大論争。
折しも時代はメタルがヒットチャートを賑わせていました。セールスは好調だったものの、彼らは自らのアイデンティティを見失ってしまいます。
【9】Judas Priest – Turbo Lover (Official Video)
Ram It Down (1988)
ここで、“忠誠心の高いファンこそが我らのファン“と気づき、ヘヴィメタルへの原点回帰を目指した11枚目。「Heavy Metal」「Hard As Iron」という曲名から分かるように、これでもかとヘヴィメタル色は濃く、バンドとファンとの絆をメッセージに込めます。一方サウンドは「Defenders Of Faith」と「Turbo」をブレンドしたような、新旧ファンに配慮したものになりました。
しかしその結果、忠誠心の高いファンは戻りはじめ、ジューダス・プリーストはアイデンティティを取り戻します。
「我らはヘヴィメタルバンドである!メタルゴットである!」
【10】Judas Priest – Ram It Down
その決意こそが、純度100%ピュアなヘヴィメタルアルバム、次作「Painkiller」を創り出す強い原動力になりました。
最後に「Painkiller」からもう一曲ご紹介して、ジューダス・プリーストのストーリーを締めくくりますね。
Judas Priest – All Guns Blazing (Live 1991)
いかがでしたか。
メタルゴッド、ジューダス・プリースト。
機会があればぜひライブも体験していただきたいです!
また会いましょう!