フィリピンのホームレス少年が伝説バンド ジャーニーのボーカリストになった話

今日はいつもと趣向を変えまして、バンドや曲の紹介ではなく、一人の”人生のストーリー” を紹介します。もしご存じなければ、ぜひ読んでいただけると嬉しいです!。

ジャーニーは、数多くの記録的大ヒット曲を持つ、米国の伝説的なハードロックバンド


数々のヒット曲のなかでも、バラード「Open Arms」は日本でも映画「海猿」のテーマソングになったので、とても有名な曲ですね。

Journey – Open Arms (Live)

Journey – Open Arms (Official Video – 1982)

そんなジャーニーは、1996年にボーカリスト スティーブ・ペリーが脱退すると、一気に人気が低迷してしまい、活動休止に陥ります。

スティーブ・ペリーは圧倒的な歌唱力を持つ特別なボーカリスト。彼の代わりを務められる後任を見つけるのは不可能・・・。

ジャーニーはシーンの第一線から外れ、「往年の懐かしバンド」となっていきました。

しかし、低迷から10年以上がたった2007年。転機が訪れます

ジャーニーの中心メンバー ニール・ショーンが、YouTubeでジャーニーの名曲を高らかに歌い上げる1本の動画を、偶然見つけます。

歌っていたボーカリストの名は、アーネル・ピネダ(以下アーネル)

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アーネルは1967年、フィリピンの貧しい地域で、4人兄弟の長男として生まれました。

幼い頃から歌が好きで、母親にねだられては、当時のヒット曲を歌って聴かせていました。

しかし、そんな最愛の母親は、アーネルが13歳の時に病気で亡くなってしまいます。そして母親の治療費は大きな借金となり、家族はさらに貧しい生活を強いられます。

3人の兄弟は親戚に預けられ、アーネルは少しでも父親の負担を軽くしようと家を出ます。

そこからホームレス生活。ゴミ拾いをしながらのどん底の生活の中、2年間、なんとか命をつなぎます。

悲惨な生活の中でも歌を忘れなかったアーネルは、レストランで歌ってお金をもらったり、歌のコンテストで優勝して賞金を得たり、徐々にボーカリストとして生計を立てていきます。

アーネルの歌声は評判となり、香港のレストランショーで週6回のステージを何年も担当。その後、フィリピンに帰国したアーネルはすでに40歳。ようやく自らのバンド「The Zoo」を結成。自分自身の活動を始めます。

そのThe Zooで披露していたカバー曲のなかに、ジャーニーの曲がありました。

FAITHFULLY – ZOO WITH ARNEL PINEDA

FAITHFULLY – ZOO WITH ARNEL PINEDA

ある日、アーネルの友達がYouTubeにアップしていたアーネルが歌う「Faithfully」の動画を、ジャーニーのニール・ショーンが偶然見つけます

「こいつは一体だれなんだっ!」

ここからは急展開。

フィリピンのアーネルにニール・ショーンから電話が入ります。きっと誰かのイタズラだろうと信じられないアーネル。しかし、バンド仲間に説得され、米国カリフォルニアのジャーニーのオーディションへ。

翌年、彼はジャーニーのボーカリストの座につきます

スティーブ・ペリー時代の往年の大ヒット曲をアーネルの歌唱でセルフリメイクしたアルバムは、バンドの10年の低迷を吹き飛ばす大ヒット
死に瀕していた伝説バンドを、アーネルが見事に蘇らせます。

ライブでも、「アジア人の新ボーカリスト」登場に、反発を予想する関係者らが戦々恐々となるなか、アーネルは歌唱力で聴衆を圧倒。大喝采を、自らの力で勝ち取ります。

Journey, Open Arms, Festival de Viña 2008

Journey, Open Arms, Festival de Viña 2008

 

ジャーニーでの成功で夢を叶えたアーネルは、父・兄弟の生活を支え、バンド活動がない時は、自身の家族とともに今もフィリピンで暮らしています

2013年には、アーネルの成功の軌跡を描いたドキュメンタリー映画、「Don’t Stop Believin’ ~The Everyman’s Journey」が公開。「信じることをやめないで」・・・まさにタイトル通りです。

Journey アーネル・ピネダ物語 at Oprah “Don’t Stop Believin'”
(日本語字幕、歌詞和訳付き)

Journey アーネル・ピネダ物語 at Oprah "Don't Stop Believin'"

そして、2017年。

ジャーニーが「ロックの殿堂」入りとなったニューヨークのセレモニー会場で、オリジナルメンバーのスティーブ・ペリーと後継者アーネルの2人が初めて出会います

これはそのときの1枚、最高ですね。

 

また会いましょう!

 

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