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メタリカ、「The $5.98 E.P.: Garage Days Re-Revisited」に込められた想いとは

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1987年発売の「The .98 E.P.: Garage Days Re-Revisited」(以下「Garage Days」)について徹底分析!

今日は、メタリカの懐かしいお話です。

リリース後2年でレコード店から姿を消し、30年間も廃盤となっていた不思議なアルバム(当時はプレミア付きのレア盤でした)。

しかも、ただのカバーアルバムではありません。

実は「メタリカ結成のエピソード」が込められているんです

85年当時、まだ無名バンドだった彼らの人気は、地道なライブ活動と口コミから火がつき、3rdアルバム「Master Of Puppets」は驚きの”全米チャートイン!”を果たします

Tシャツと破れたジーンズの若者4人が、一気にメジャーバンドの仲間入り。

しかし彼らに突然の悲劇が襲います。
ビッグアーティストの前座ツアーをこなしながら、どんどんスターダムを駆け上がっていた矢先.

1986年9月、バンドの精神的支柱だったカリスマベーシスト、クリフ・バートンを交通事故で失ってしまいます

メンバー3人、ジェームズ、ラーズ、カークは大混乱に陥りますが、クリフの死を乗り越え、なんとかバンドを継続する道を選んだ彼らは、クリフに代わる新しい次ベーシストとして、ジェイソン・ニューステッドを迎えます。

ジェイソンの加入でなんとか終えた「Master Of Puppets」ツアーのあと、いよいよ次作の4thアルバムに着手しようかという直前のタイミングで、「Garage Days」は制作されました。レコーディングはたった6日間!

そう。彼らには「Garage Days」が必要でした。

「Master Of Puppets」で売れに売れた彼ら。
頼れる兄貴クリフはもう居ません。

改めて、自分たちは何者なのか、を確認する取り組みが必要だったんです。

メタリカは結成当時、メンバーが当時から熱中していたダイアモンドヘッドのコピーバンドでした

ちなみに、82年のメタリカ の記念すべき初ライブでは、オリジナル曲は9曲中2曲。
そしてダイアモンドヘッドの曲は4曲(!)でした。

※ラーズのFacebookで公開されたホンモノ。メタリカ初ライブのセットリスト。オリジナル曲はHit The LightsとJump In The Fireのみ。4曲がダイアモンドヘッドのカバー!まるでコピバン!

「Garage Days」では、自らの音楽的ルーツを確認することで、他界したクリフへの気持ちの整理、新メンバー ジェイソンを含む、ジェームズ、ラーズ、カーク4人のメンバーの結束を図りました。

また、それだけではありません。

いまや注目を集める存在となった自分たちにできることとして、かつて影響を受け、メタリカ結成の理由となったバンド(ほとんどが無名)に注目を集め、恩返しをしようと考えたのです。

そんな「Garage Days」の全5曲を、オリジナル曲とともに紹介します!

Metallica: Helpless

Diamond Head – Helpless (Live in 1979)

メタリカが愛して止まないダイアモンドヘッド。
英国出身のNWOBHM(New Wave Of British Heavy Metalの略)バンド。
ラーズはメタリカ結成前に2週間も彼らのおっかけして、
メンバーの家に上がり込むほど大好き(笑)。
ラーズ 曰く、この曲は「スラッシュメタルの原点」となった曲。
メタリカはダイヤモンドヘッドの他の曲も多数カバーしています。

Metallica – The Small Hours

NWOBHM- The Small Hours(Holocaust)

ホロコーストはスコットランド グラスゴー出身のNWOBHMバンド。
陰鬱でヘヴィな曲は、「重いメタリカ」に多大な影響を与えました。
メタリカはDチューニングでさらにヘヴィに演奏。

Metallica: The Wait (Remastered)

Killing Joke – The Wait

 

キリングジョークは英国のポストパンクバンド。
メタリカはヘヴィメタルだけでなくパンクやハードコアもルーツ。
メタリカの攻撃的な音楽性に共通点が見出せます。

Metallica: Crash Course In Brain Surgery

Budgie – Crash Course In Brain Surgery

バッジィは英国バーミンガム出身。NWOBHM以前から活動するバンド。
ブラック・サバスやレッド・ツェッペリンに近い音楽性。
メタリカはバッジィの「Bredfan」もカバー。

Metallica: Last Caress/Green Hell

Misfits – Last Caress/Green Hell

ミスフィッツは米国NYのハードコアパンクバンド。
ラモーンズのようなシンプルでストレートな楽曲にサタニックな世界観を持つ。
メタリカの速く突進する曲にミスフィッツの影響が垣間見える。
フロントマンのグレン・ダンジグが組んだヘヴィメタルバンド ダンジグもお気に入り。

メタリカ をカタチづくったルーツの数々、いかがだったでしょうか。

その後、「The $5.98 E.P.: Garage Days Re-Revisited」の楽曲は、1998年発表の「Garage Inc」に収録されたり、そのものが2018年にリマスターされて再発売され、今では入手が容易になっています。よかった!

 

今日はこんな感じです。

また会いましょう!

 

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