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【名盤 全曲解説】ガンズ・アンド・ローゼズ、あなたの知らない「アペタイト・フォー・ディストラクション」

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全世界で3000万枚以上売り上げたモンスターアルバム

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Sticker Guns N' Roses Logo Rock & Pop Guns N' Roses Entertainment Memorabilia

ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses 以下、ガンズ)。

1985年に結成された、米国ロサンゼルス出身のロックンロールバンド。ストリートのワルたちはまさに「セックス・ドラッグ・ロックンロール」。オリジナルメンバーはこの5人。

・アクセル・ローズ – Vo
・イジー・ストラドリン – Gui
・スラッシュ – Gui
・ダフ・マッケイガン – Ba
・スティーブン・アドラー – Dr

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精力的なライブ活動で叩き上げ、過激なライブパフォーマンスは評判を呼び、見事、メジャー契約獲得。レコード会社が争奪戦を繰り広げたほど、地下シーンでは注目の新人でした。

そして、1987年7月21日、ガンズが満を辞してリリースしたデビューアルバム「アペタイト・フォー・ディストラクション(Appetite For Destruction、以下、アペタイト)」。

全米ビルボードチャート初登場は182位と、ゆっくりとしたスタートでしたが、MTVでミュージックビデオ(MV)が一度放映されると、視聴者から「あれは誰?!」「もう一回流して!」とリクエストが殺到。一気に人気に火がつき、ヒットチャートを駆け上がります。

結果、米国だけで1800万枚以上、全世界では3000万枚以上セールスしたモンスターアルバムになりました。

そんな、歴史的名盤「アペタイト・フォー・ディストラクション」が、もっと好きになる「全曲解説」を「裏話」と交えてご紹介します。

Welcome to the jungle !!!

行きましょう!

ジャケットアートがいきなり発売禁止!アクセルの腕のタトゥーのデザインに急遽変更!

デビューアルバムのレコードジャケットがいきなり発売禁止になるという、ガンズらしいエピソード。最初に発売された「アペタイト」のジャケットはこんなデザインでした。

米国のイラストレーター、ロバート・ウイリアムズのアートで、絵のタイトルは「Appetite for Destruction」。アルバムのタイトルはこの絵から来ているんですね。

しかし、ロボットが女性を暴行しているシーンがあまりに酷いということで、レコード店から苦情が殺到し、発売禁止になってしまいます。

さすがに変更を余儀なくされ、「ケルト十字架」と、「5人のガンズメンバー」がガイコツで描かれた、現在のジャケットアートになりました。これは元々、アクセルが原案を考え、ビリー・ホワイト・ジュニアによってまとめられた、アクセルのタトゥー用にデザインされたもの。アクセルの右腕にありますね。

ちなみに、右肩の「青いバラ」には「AXL ROSE」の文字。このバラはアイルランドのハードロック バンド「シン・リジー」のアルバム「Black Rose」がオリジナル。「ケルト十字架」も「シン・リジー」へのリスペクトが込められています。

右腕真ん中の女性のタトゥーは、かつてアクセルが付き合っていたモニーカ・ルイスという女性。
(写真が存在していない…)

ついでに左腕のタトゥーは、

肩に赤黒ハートと羽に「ROCKER」の文字。
左腕下の稲妻の紋章のような記号には「VICTORY OR DEATH(勝利か死か)」と描かれていて、アクセルが子供の頃から憧れ、音楽を目指すキッカケとなったエルビス・プレスリーが由来。エルビスが2年間入隊していた「第32機甲連隊」の紋章です(下写真の帽子にあるマークです)。

いきなり「アペタイト」から脱線しちゃいました(汗)。

お待たせしました、ここからはアルバムの全曲解説です!

【1】Welcome To The Jungle

怪物アルバムのオープニングに相応しい一撃必殺の名曲。ガンズの最大の魅力「死」「殺気」を感じるヒリヒリとした緊張感が、イントロからみなぎって、ロックンロールなリフになだれ込みます。

「Jungle」とは、弱肉強食の街「ロサンゼルス」のこと。無垢な若者が夢を求めてやってきても、情け容赦なく食い殺されるような、あぶない街。

曲の中間部に印象的なフレーズがあります。

“You know where you are? You’re in the jungle, baby! You’re gonna die!!”
(ここがどこかわかってんのか?ジャングルさ!お前らは死ぬんだ!!)

このフレーズにはこんな裏話があります。アクセルが友達とニューヨークを訪れたとき、酔い潰れて道端で寝ていると、1人の黒人のホームレスが寝てるアクセルに近づいてこう言いました。
「You know where you are? You’re in the jungle, baby! You’re gonna die!!」と。

「Jungle」には「現実(リアル)」という意味も。食うか食われるかの世界では、“食う側”に廻らなければ生き残れない残酷さが描かれています。

ミュージックビデオ(MV)の監督は、ナイジェル・ディック監督。彼はインタビューで「Welcome to the jungle」のMVを作るとき、”アウトローと街・社会” を描いたカルト映画「真夜中のカウボーイ」「地球に落ちて来た男」「時計じかけのオレンジ」の3本を参考にしたと語っています。映画を見たことがある人は「なるほど」と思うシーンが満載ですね。

冒頭、無垢なアクセル少年が長距離バスを降りると、いきなりドラッグディーラー(よく見るとイジー)が寄ってきます。ふと道端を見ると飲んだくれて倒れてる酔っ払い(よく見るとスラッシュ)。そしてアクセル少年は、性と暴力の洗脳治療(逆ルドビコ療法?)で無事、ギラギラのロックスター “アクセル・ローズ” に大変身って物語です…アクセルの自伝的なストーリーでもありますね。

【2】It’s So Easy

1曲目とは別人のようなアクセルの低音ボイスで曲はスタート。デビュー当時アクセルは「12種類の声を操るカメレオンボイス」と評されるほど、変幻自在の表現力を発揮しています。

「It’s So Easy」は勢いのあるパンクナンバーで、ライブのオープニングを飾る定番曲です。

実はこの曲、ガンズ以外の人物との共作曲。彼の名前はウェスト・アーキーン(West Arkeen、以下ウェスト)。

21歳のウェストはミュージシャンを夢見てロサンゼルスに住み、活動を始めると、まだデビュー前のガンズのメンバーと出会い、親しくなります。

ウェストの部屋にはアクセルやイジー、ダブが入り浸って、一緒にジャムったり、曲を作ったりしていました。そのうちの1曲が「It’s so easy」です

ウェストに対してアクセルは、最大の信頼と親愛を寄せており、「アペタイト」の次のアルバム「ユーズ・ユア・イリュージョン」では、「Bad Obsession」「The Garden」「Yesterdays」の3曲を共作しています。

アクセルとウェストのレアな共演動画がこちら。いつもは気難しいアクセルがとても楽しそうです。

 

アクセルは、ウェストを“6人目のメンバー”、と呼び、彼自身のバンド ジ・アウトペイシェント(The Outpatient)の1996年のデビュー作では、ガンズメンバーが全員ゲスト参加してサポート。

しかし、ウェストは、デビュー翌年の1997年、不慮の事故による火傷の鎮痛剤の過剰服用によって、36歳の若さで他界。

1999年にリリースされたガンズのライブアルバム「Live Era 87-93」には、”このアルバムをウェスト・アーキーンとの思い出に捧ぐ”、と書かれています。

【3】Nightrain

ドラマチックなロックンロールの傑作。「飲んで飲み明かせ!」と、とことん破天荒な曲。パーティロック的な明るさは皆無で、アルコールによる現実逃避、そして破滅へ向かう悲壮感が全編に漂っています。

曲名の「Nightrain」は、ロサンゼルスで買える激安ワイン「Night Train Express」のことで、メンバーいわく、たったの1ドルで買えて度数19%という強さ。すぐにベロベロに酔っぱらえるシロモノ。

さすがに商品名をそのまま曲名にすることは避け、「Nightrain」としたのですが、サビでは「I’m on a Nightrain」「Ridin’ a Nightrain」と、Nightrainに “乗って” という歌詞。まさにボトルのラベルにある列車のイメージが重ねられてますね。

曲の最後、アクセルは「Nightrainに乗ったらもう戻れない…(Never to return)」と叫び、ギターソロがフェードアウトまでずっと鳴り続け、醒めない酩酊の深みに落ちていくようです…。

【4】Out Ta Get Me

オープニングからのシリアスな3曲から一転、4曲目にして、カラッと明るいバッドボーイロックンロールがはじまります。

歌詞は攻撃的。サビでは「俺は絶対つかまらない!俺は無実だ!絶対にやられないぜ!」と繰り返します。

曲名の “Out ta(outta)”とは、”Out of”のことで、“Get me”、つまり「俺を捕まえる圏外」
捕まえにくるのは、警察や、アクセルと敵対関係にあるワルたち。あらゆるトラブルもさらりと切り抜けるアクセルの狡猾さにがニヤリとする1曲です。

【5】Mr. Brownstone

印象的なギターのカッティングからはじまって、アクセルは再び、「It’s So Easy」と同じような低音ボイスでクールに歌い始めます。歌のサビでは、

“俺たちはずっとミスター・ブラウンストーンと踊ってるんだ”
“前はほんの少しだったのに、今じゃ全然効かなくて、どんどん量が増えるばかり”

そう、ミスター・ブラウンストーン=コカインディーラー、麻薬の売人についての曲です

低音でクールなアクセルの歌声は、次第にハイトーンの病的なテンションへの変化して、凄味を増していきます。

【6】Paradise City

「Welcome to jungle」で歌われた弱肉強食の街、ロサンゼルスも、住めば都。バンドは長いツアーに出ると、ホームシックになるようです。

“パラダイスシティに俺を連れて行ってくれ
草原は美しく、女の子は可愛い
どうか俺を家に帰してくれよ”

サンフランシスコでのライブ帰りの車中で、メンバーがジャムりながらこの曲は書かれました。

MVは「Welcome to the jungle」と同じく、ナイジェル・ディック監督。スタジアムツアーの熱狂のライブシーンと、バンドのオフショットが満載の映像で構成されており、スラッシュは当時を懐かしんで、「ガンズで一番お気に入りのビデオ」とコメントしています

6分46秒の長い曲にもかかわらず全米5位の大ヒット。“チャート史上もっとも長いトップ10ヒット曲”として記録されています。

サイドを分ける、【G】と【R】

ここで「アペタイト」のアルバムの特徴をご紹介。
当時、レコードやカセットテープは、それぞれのサイドを「A(面)」「B(面)」と呼んでいましたが、「アペタイト」のレコード盤面を見てみると、「G」「R」とラベルに記載されています

ここにガンズのこだわりがあり、「G」面は「Guns=大都市、ドラッグ、タフな人生」をテーマとして扱った曲が置かれ、「R」面は「Roses=愛、セックス、絆」を扱った曲が置かれています。

というわけで、ここまでがハードな「G」面。
ここからは、愛の「R」面に入っていきます。

後半戦に行きましょう!

【7】My Michelle

「R」面の1曲目、後半のオープニングとなるこの曲は、再びシリアスなハードロックナンバー。妖しいイントロとヘヴィなリフ、ポップでポジティブなサビで構成されています。

この曲の主人公は、実在する ミッシェル・ヤング という女性。

ガンズメンバーとはデビュー前からの知り合いで、アクセルとは一時付き合っていたことも。

当時、アクセルと一緒に車でライブに向かっていた時、ラジオからエルトン・ジョンの「Your Song」が流れてきます。ミッシェルはアクセルに「私の曲を書いて」と頼みます。

快諾したアクセルはミッシェルの曲を作りますが、美しいラブソング、ガンズとしては平凡な曲になってしまいました。

実は、ミッシェルはツラい生い立ちで、両親はポルノで働き、母親はドラッグ中毒で亡くなってしまいます。さらに、ミッシェル自身もドラッグ中毒に落ちてしまいます。

そんなミッシェルのリアルな半生を赤裸々に描いて書き直した「My Michelle」。アクセルはリリースすべきか悩み、ミッシェルに直接相談すると、ミッシェルは「これが本当の私だから」とOK。

「My Michelle」は、シリアスな曲調で進みつつも、サビとエンディングはポジティブに締め括られ、アクセルからミッシェルへの感謝と応援歌になっています。

【参考記事】“Well, well, well, you never can tell”, an interview with Guns N’ Roses insider “My Michelle” Young

【8】Think About You

軽快なカウベルのカウントで始まるスピーディな曲(スティーブンってカウベル好き)。

「君のことをずっと考えてる」と、可愛い純愛ソング?なんて期待したら、やっぱり甘くないガンズ。「You」とは「ドラッグ」の意味で、ドラッグ愛(いや中毒)についての曲です

曲を書いたイジーは、「この曲はドラッグ、セックス、ハリウッドについての曲」なんてストレートにコメントしていますね。

“君のことで頭がいっぱい
君しかいないんだ
いつでも、永遠に…”

効果的に重ねられるアコースティックギターの旋律は切なく悲しげで、懇願するようなアクセルの歌の感情表現がグッときます。

【9】Sweet Child O’ Mine

(MVは2種類)

冒頭とサビで聞こえる印象的なギターフレーズは、もともとスラッシュがギターを演奏する前の「指のウォーミングアップ」として弾いていたモノ。スラッシュは「指トレ」が曲になるのは想定外だったようですね。

この曲は、ガンズ屈指の純愛ラブソング。ドラッグの曲ではありません(笑)。そして、ガンズ唯一の全米ナンバー1シングル曲です。

「Sweet Child O’ Mine」では、本当はロマンチストなアクセルの歌詞センスが光ります。

“彼女の笑顔は、
青空のように輝いていた子供のころを
俺に思い出させる”

愛する女性の純粋さに、汚れた自分が浄化されるような気持ちを歌っています。

この曲に登場する女性も、実在する、エリン・エヴァリーという女性です。

エヴァリーは「Sweet Child O’ Mine」のMVにも登場しています。ほかのメンバーも当時付き合っていた彼女を同伴してMVを撮影。そんななかイジーだけが愛犬と撮影に参加してるのがなんともイジーらしいです(笑)。

のちに、アクセルとエヴァリーは結婚しますが、その1ヶ月後、エヴァリーから離婚申請。申請後、エヴァリーに妊娠が発覚するも流産。10ヶ月後に正式に離婚となります。

そのときのアクセルの精神的ショックはとても大きく、打ちひしがれた心境を歌った曲が、次のアルバムに「Estranged」として収録されています。この曲も素晴らしい曲です。

【10】You’re Crazy

しっとりした「Sweet Child O’ Mine」から一転、スピーディでハイテンションな爆走ロックンロールナンバー。

曲に登場する女性はクレイジーで、いろんな人とすぐに関係を持ってしまう困った女性。

この曲でよく知られているエピソードは、元々はアコースティックギターで書かれた曲で、スローなブルーズだったってこと。「アペタイト」の翌年88年にリリースされた企画アルバム「GN’Rライズ」に収録されています。

【11】Anything Goes

“俺はずっとセックスのことばっかり考えてる、、、
俺のやり方、お前のやり方、今夜はなんでもありでいこうぜ!”

こんな露骨なセックスソング、日本にあります?(笑)。レコード会社の担当者に説得されて、歌詞はこれでも相当マイルドになったんだとか。

この曲は、ガンズの前身バンド、アクセルとイジーが在籍した「ハリウッド・ローズ(Hollywood Rose)」の頃からある曲です。クレジットには、ガンズメンバー以外に、「クリス・ウェーバー」という人物の名前があります。クリスはハリウッド・ローズのギタリストです。下はハリウッド・ローズ時代の3人。左からイジー、アクセル、クリス、です。若い!

原曲はアルバム曲とかなり違う展開があって面白いですね。

【12】Rocket Queen

 

「R」面のラストを飾るにふさわしい大作。6分以上あるこの曲は、前半と後半が全く違う曲調に変化するのが特徴的です。

「Rocket Queen」とは、とあるバンドの名前。アクセルが当時夢中になっていた実在の女性、バーヴィ・フォン・グリーフ(Barbi Von Greif)という女性が、ロックスターを夢見て組もうとして挫折してしまったバンド名です。アクセルは一時、バーヴィに食べさせてもらってたこともあったとか。

シリアスな前半から一転、後半にとてもポジティブな曲調に変化するのは、アクセルから彼女への感謝と親愛の情が込められたメッセージになっています。

この曲はここに触れないわけにはいきません。「Rocket Queen」には間奏部に女性がクライマックスを迎える声が録音されています。これは実際、アクセルがスタジオで行為に及んで録音したもの。お相手はスティーヴンの彼女、アドリアーナ・スミスという女性。アドリアーナは、浮気したスティーブンにリベンジしたかったのでアクセルの誘いに応じたそうです。

しかし、アドリアーナは後悔。数年間、アルコールとドラッグに溺れてしまいます。アクセルは話題作りのためにやったのでしょうが、罪作りですね。

この曲は、スティーブンのドラムがとても魅力的な曲というのもなんとも皮肉なものです。スティーブンが自ら「Rocket Queen」を演奏する動画は、見応えがあってオススメです。

2018年、オリジナルアナログテープから完全リマスターされた「アペタイト・フォー・ディストラクション」がリリース

2018年、発売から30周年を記念して、「アペタイト・フォー・ディストラクション」が新たにリリースされています。

 

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いかがでしたか。

お気に入りの「アペタイト・フォー・ディストラクション」の新しい魅力や聴き方を一つでも発見していただけたら嬉しいです。

今日はこんな感じです。

また会いましょう!

 

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