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オアシスの1stアルバム「Definitely Maybe」・2ndアルバム「(What’s the Story) Morning Glory?」の名曲をあらためて味わおう!

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オアシスは、イギリスの工業都市マンチェスター出身のバンドです。

中心メンバーは貧しい労働者階級の出身の兄弟。
兄、ノエル・ギャラガー(以下、ノエル)と、
6歳年下の弟、リアム・ギャラガー(以下、リアム)。

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ノエル(写真左)は、ギタリストであり、ほとんどすべての曲の作詞作曲を受け持ちます。
リアム(写真右)は、ボーカリスト・フロントマンです

そんな2人が、ロックスターに昇りつめた、1st・2nd、2枚の傑作アルバムから、名曲をピックアップ。当時のエピソードを交えながら、きれいにリマスターされたミュージックビデオで、彼らの名曲を楽しんでいただけたらと思います。

行きましょう。

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1st アルバム「Definitely Maybe」1994年8月30日

収録曲(欧米版)
Rock ‘n’ Roll Star
Shakermaker
Live Forever
Up in the Sky
Columbia
Supersonic
Bring It on Down
Cigarettes & Alcohol
Digsy’s Dinner
Slide Away
Married with Children

Oasis – Rock ‘N’ Roll Star (Official HD Remastered Video)

1992年、結成直後のオアシスが初めてのライブでこの曲の披露したとき、観客は40人足らず。観客の反応は冷ややかでした。

「前座バンドが、なにが“ロックンロールスター”だよ…」

しかし、2年後の1994年。1stアルバムの本作をリリースし、英国で大ヒット。
1995年には英国最大級の野外フェス「グラストンベリー」にヘッドライナーで登場します。

あっという間に、ノエルとリアムは、本物の“ロックスター”に。

♪今夜、俺はロックンロールスターだ♪

初めてのライブのときから「俺たちは最高のロックバンドなんだ!」と信念を持って演奏し続けたこの曲「Rock ‘N’ Roll Star」。ノエルとリアムの強い思いが伝わってくる、デビューアルバムのオープニングを飾る曲です。

Oasis – Shakermaker (Official HD Remastered Video)

ノエルが4〜5歳のときに見ていたコカコーラのTVCMソングから、ちゃっかりメロディを拝借した曲(笑)。※元ネタはこちら →The New Seekers – I’d Like To Teach The World To Sing 1972

ゆったりとグネグネ曲がるサイケデリックなサウンドで、日本では比較的人気薄めですが、海外では人気(理由は、若者に広くドラッグが…そういうことですね;)。

Oasis – Live Forever (Official HD Remastered Video)

ノエルとリアム、オアシスにとっての原点のような曲。

♪あなたのお庭がどうしたかとか、
俺はホントは興味がないんだけど。


俺たちはきっと一緒さ。
俺たちは永遠に生き続けるんだ♪

これは、ノエルが母親に宛てた歌です。ノエルとリアムに暴力をふるう父親と別れ、給食のおばさんをしながら2人を育ててくれた母親へのラブソング。「お庭」とはお母さんの趣味がガーデニングなんですね。

一方で、この曲は、「オアシス」の結成に大きく関わった曲でもあります。
当時、ノエルは1人で音楽活動をしていました。リアムとは別々に。ある夜、ノエルは、リアムのバンドのライブを観にいって彼らを酷評し、こう言いました。

「お前らは最低だな。しかし、俺がこのバンドに入ってやる。俺と一緒にロックに情熱を注げば、俺たちは絶対にロックンロールスターになれる!」

そういってアコースティックギター1本で歌って聴かせたのが、この「Live Forever」なんです。
曲に感動したリアムとほかのメンバーはノエルをバンド「オアシス」に招き入れ、本格的に活動していきます。

Oasis – Supersonic (Official HD Remastered Video)

オアシスがレコードレーベルと契約して初めて録音した曲。

予定していた曲がうまくいかず、代わりにわずか1日でこの曲をレコーディングしたんだとか。ノエルが作詞にかけた時間はわずか30分。「ジントニック」「BMW」「イエローサブマリン」など思いつく言葉を羅列した歌詞にノエルは「特に意味はない」とコメントしていますが、最初から肩の力が抜けているところがオアシスの大物たる所以。

アルバムリリースの4ヶ月前に先行初シングルとしてリリースされたこの曲は初登場31位。
その後始まるオアシスの快進撃は、意外と静かなスタートだったんですね。

Oasis – Cigarettes & Alcohol (Official HD Remastered Video)

自分たちは労働者階級のバンドだとストレートに宣言する曲。ヘビーかつノイジーなノエルのギターが豪快に鳴り響くロックンロールソングです。

♪こんな狂った生活じゃ、
酒とタバコがすべてなのさ。


もしトップにいきたいなら、
自分でなんとかするしかないんだ♪

この曲では、グラムロックの雄 T.REX の名曲「Get It On」のギターリフをちゃっかり拝借。元ネタはこちら → T. Rex – Get It On 1971

強力なシングル曲の連続ヒットが1st アルバム「Definitely Maybe」を全英1位にまで牽引します。

クリスマスシングル「Whatever」1994年12月18日

収録曲
Whatever
(It’s Good) to Be Free
Half the World Away
Slide Away

Oasis – Whatever (Official Video)

♪俺はなんにだってなれる
俺はなんだって言える
お前はなんにだってなれる
お前はどこにだって行けるんだ♪

歌詞もメロディもとても開放的でポジティブな1曲。そして実は、ノエルがリアムに宛てたパーソナルな曲。

バンドが大成功を収めているにもかかわらず、しばしば暴走してトラブルを起こす弟リアムに「俺とお前はもう自由なんだだから、くだらないことに囚われず、前に進んで行こうぜ」とノエルがリアムを優しく諭すメッセージが込められています。

ちなみに、この曲も元ネタがあって、裁判に負けて印税を払ったりしていますね。元ネタはこちら→Neil Innes – How Sweet to be an Idiot

2ndアルバム「(What’s the Story) Morning Glory?」1995年10月2日

収録曲
Hello
Roll with It
Wonderwall
Don’t Look Back in Anger
Hey Now!
Untitled
Some Might Say
Cast No Shadow
She’s Electric
Morning Glory
Untitled (also known as “The Swamp Song)
Champagne Supernova

Oasis – Wonderwall (Official HD Remastered Video)

“Wonderwall”、この“魔法の壁”とは、ノエルの心のなかの友達、“もうひとりの自分”のこと。

♪今日がその日になるはずだったのに
そうしなかったから、
周りから非難されることはないんだ
君こそは俺を守ってくれる
“魔法の壁”なんだ♪

この曲は、自殺を決行する日に思いとどまらせてくれた“もうひとりの自分”のことを歌っています。ノエルが自らの心の闇を告白したこの曲は、労働者階級の若者の共感を呼び、オアシスの代表曲となりました。

ちなみに、歌っているリアム本人はいまひとつピンと来ていないようで、「Live Foreverの方が全然好きだな」なんて言ってます(笑)。

Oasis – Don’t Look Back In Anger (Official HD Remastered Video)

ピアノのイントロが、ジョン・レノンの「Imagine」まんまであることが良くも悪くも有名な1曲。

しかし、ノエルが責められないのは、この曲がロック史に残る「オーディエンスが大合唱する名曲」になったから。

「Don’t Look Back In Anger」とは「過ぎたことに怒らないで」という意味ですが、歌詞全体には明確な意味はありません。だからこそ、誰の気持ちにも当てはまる余白があって、愛されている1曲です。この曲は、リアムではなくノエルが歌っています。

アルバムのレコーディングのとき、ノエルが自分で歌うと決めたことを知ったリアムは大激怒し、ノエルと大喧嘩。ノエルはバンドの脱退を表明し、レコーディングが一時中断したとの逸話も残っています。

Oasis – Some Might Say (Official HD Remastered Video)

2ndアルバムのリリース前の先行シングルになったこの曲。クリスマスシングル「Whatever」に続いてリリースされ、オアシスの初の全英1位の曲になりました。

ゆったりとしたテンポと悠々としたメロディがオアシスの持ち味。

まるで新人らしからぬ堂々とした風格があり、観客が一体となって合唱する“最強ライブバンド”として、オアシスの人気はさらに高まっていきます。

♪輝ける日がきっとやってくる、
なんて言う奴もいるだろう

でも思いもしなかっただろ?
俺が何度も
世間を騒がすことになるなんて♪

オアシスが1stアルバムで成功をつかみ、ロックスターとしての自信を深めている様子がうかがえますね。

Oasis – Morning Glory (Official HD Remastered Video)

”Morning Glory(朝の栄光)”とは、朝顔の花との意味だったり、朝から元気!との卑猥な意味だったりがありますが、この曲では「ドラッグ」のこと(そればっかり!)。

♪目が覚めるまでもう少し待ってくれ、
もう少し待ってくれよ♪

とサビで繰り返すこの曲。当時のノエルは朝食に、砂糖の代わりにイケナイ粉をまぶしたコーンフレークを食べていたそうですが、おそらくそのことを指しているのかもしれません(さすがに痩せ過ぎてやめたそうですが…)。

Oasis – Champagne Supernova (Official HD Remastered Video)

♪いつか君は見つけるだろう、
土砂崩れに踏もれた僕の姿を

空に浮かぶ
あのシャンペン超新星からさ♪

うーん、意味不明ですね(笑)。

ノエルはインタビューで、「ハイになっているときに書いた曲」といっているので、言葉の響きを頼りに書いた歌詞なんですね。サウンドもサイケデリックな恍惚感にあふれていて、妖しい魅力を持つ曲です。

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いかがでしたか。

2009年10月にオアシスは解散し、10年以上が経過しました。ノエルもリアムもそれぞれ別々のソロバンドを率いて活動中です。

解散の理由は兄弟喧嘩ですが、ノエルもリアムも、今もお互いの才能を認め合い、尊敬し合っているので、いつかきっとオアシスの再結成が実現するはずです。

その日まで、彼らが残した名盤や、ノエル・リアムそれぞれのソロプロジェクトの楽曲を楽しんで、気長に待つことにしましょうね。

今日はそんな感じです。

また会いましょう!

 

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